2014年2月2日日曜日

役に立つ数学 ~ゲーム理論①~

皆さんこんにちは。のま丼です。


最近、記事が文系ネタに偏っている気がするので、今日は理系ネタを1つご紹介します。



皆さんは数学は役に立つと思いますか?



Twitterでは



 画像は@omoboibotbotさんのツイートより
 ※リンクがうまくいかなかったので画像を張らせて頂きました。


こんな感じで批判されているネタをちょいちょい見かけます・・・



数学の問題は日常生活からあまりにもかけ離れ過ぎていて、役に立つ状況が想像できませんよね。



そもそも数学者の目的は「数字を使って首尾一貫した理論を作ること」なので、役に立つとか立たないとかはどーでもいいと考えているそうです。



なので、教えている先生も受験勉強に必要だから教えている訳で、数学が実際に役に立つかどうかはわからないのです



ちなみに、ノーベル賞に数学賞はありません。役に立たないと思われているからです。
(一説によるとノーベルの恋敵が数学者だったからとも・・)



しかし、


数学がこんな状態では、必修科目として勉強させられている学生のモチベーションに関わるので実践的で役に立つ数学を紹介します。





それは「ゲーム理論」という数学です。

この数学はちょっと変わっています。


説明は後ほど・・



まずは、この問題を考えてみてください。
※注 問題を「解く」のではありません。



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【問題】
囚人AとBが逮捕されました。

2人は犯罪の共犯者だと疑われています(実際に2人は共犯者です)。

今2人は拘束され、互いに相棒と隔離されています。

検事の取り調べに対して相棒がどんな対応するのか互いにわかりません。

検事は2人の囚人に以下の条件を出しました。



 条件①2人とも黙秘すれば、懲役1年ずつ。

 条件②2人とも自白すれば懲役2年ずつ。

 
 条件③1人が自白し、1人が黙秘すれば、自白した者は釈放。
      黙秘した者は懲役3年。



あなたが、囚人Aならどうしますか?

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これは非常に有名な問題なので見たことがある人もいるかも・・
見たことがある人も是非解説を読み返してください。
解説はちょっとアレンジして私なりの意見を書いています。




【答え】
明確な答えはありません。




【解説】
(1)相手が黙秘した場合

 
 
 
 
 黙秘→懲役1年
 自白→懲役0年

よって、自白が有利。



(2)相手が自白した場合

 黙秘→懲役3年
 
 自白→懲役2年

よって、自白が有利。



(1)(2)より、相手が「黙秘」「自白」のどちらを選んでも、あなたは「自白」が有利になります。

よって、答えは「自白」を選ぶ。



とはなりません・・・



(3)相手はあなたの相棒です。
あなたが出所後も相棒とタッグを組み続けたいと考えている場合はどうですか?

この場合、相手の刑期も考える必要があります


自分と相手の刑期のトータルは

 互いに黙秘→懲役合計2年  が一番短くなります。


よって、あなたは「黙秘」を選ぶべき。



(3)´しかし、相手はあなたと同じことを考えているとは限りません。
相手が裏切って「自白」を選んだ場合、あなたが「黙秘」を選ぶと最大の不利益を被ります。

 あなたが自白・相手が黙秘→あなたの懲役は3年


よって、あなたが「黙秘」を選択することはハイリスク・ハイリターンであり、互いの信頼関係を勘案する必要がある。



(4)あなたが犯罪組織のボスなら

 
 あなたは、必然的にあなた個人のことだけを考える訳にはいきません。
 

 しかも相手が「自白」を選ぶ可能性は少ない(これを選ぶと出所後シバかれます)。

よって、黙秘が有利。


(5)結論
あなたの立場や相手との関係性により、あなたが選択すべき答えは変わる。






これは「囚人のジレンマ」という(古典的な)問題です。

数学の問題でこんな結論見たことありますか?

数学の問題は「答えは一つ」か、「わかっている答えを証明する」のが基本ですよね。




しかし、実際の社会はこんなもんです。

日常生活や仕事で「答えが一つしかない」ことや「答えがわかっている」ことはほとんどありません。

日常生活や仕事では、自分が持っている情報から良の選択肢を選ぶしかないのです。





この手助けをしてくれる数学が「ゲーム理論」です。



ゲーム理論は、元々はチェスの戦略を考えることから発展し、フォン・ノイマンという数学者が体系化した、戦力的意思決定を扱う理論です。



「ゲーム」といっても当然遊びではありません。



2人以上が参加し、選択肢が複数あれば理論の対象です。



この「ゲーム」に関して、「合理的で最も効率のよい選択肢を選ぶ為の理論」と捉えて頂ければ問題ありません。



このゲームは扱う範囲が非常に広く、経済学・経営学・心理学・社会学・政治学等に応用され、日常生活や仕事・スポーツの戦略にも役立ちます。


【日常生活での利用】
・仕事の戦略や交渉。
・株式などの投資やギャンブル。
・友人との付き合い方や恋愛。
・スポーツやオンラインゲームなど、いわゆる「ゲーム」にも。
・人生哲学や人生設計の指針。
・勉強や学校、仕事の選択。


要するに何でも使えます。



大学の専門分野以外、学校で教わることはありませんが、トレーニング用の著書がいくつかありますので、是非読んで頂きたいと思います。



著書のほとんどが考え方のトレーニングなので、難しい知識は必要ありませんし、日常の選択肢が題材として取り上げられているので、すぐに役立ちますよ。



最近では入社試験で出題されるケースが多く、就活にも役立ちます。




何となくでも役に立つ数学理論があるこは理解して頂けましたか?




個人的には数学でもこの分野を学校で教えるべきだと考えています。
ちょっと特殊な分野ですが、そのほうが学生が勉強に興味を持ちやすいのでは・・




今回はゲーム理論の簡単な説明でしたが、具体性という点ではまだ説明が足りず、まだこの理論の有用性を理解頂けてない方もいるかと思います。



次回は、もうちょっと具体的問題を紹介したいと思います。



最近、ブログのアップする頻度が遅いと言われてますので、自分自身にプレッシャーをかける意味でも、2、3日以内に頑張ります。




それでは皆さん後ほど・・