皆さんこんにちは。のま丼です。
先日、
「役に立つ数学~ゲーム理論①」
http://nomadon.blogspot.jp/2014/02/blog-post_2.html
で、ご紹介したゲーム理論に関する続きです。
ちょっとお待たせしてしまいましたね・・
今日は、現実社会で起こっている事例を用いて、ゲーム理論を紹介します。
まずは問題にチャレンジしてください。
ゲーム理論は考えることが最も大切です!
※ついさっき、シュークリームを食べたので、こんな問題を考えてみました。
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【問題】
・シュークリームがうまいと評判の町がありました。
・あなたはシュークリームの「シュー(皮)」を作る職人です。
・「シュー」を作れる職人はあなただけです。
・シュークリーム用の「クリーム」を作っている職人は10人います。
・当然、「シュー」だけでも「クリーム」だけでも商品にはなりません。
・クリーム職人は毎日1人が1個買いに来ます。
・あなたは普段「シュー」を1個30円で売っています。
・あなたは今日、「シュー」を10個作りました。
・ところが、昨日クリーム職人が結託して「シュー」を安く手に入れるためにの策略を考えていました。
・今日「シュー」を買いに来た職人10人は口を揃えてこう言いました。
『1個10円で買ってやる。売れないよりはいいだろう。』
・あなたは最低でも1個20円で売りたいと考えています。
・さてあなたはどうしますか?
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さあ、どうでしょうか。
当然、答えは一つではありません。
前回も言いましたが、自分が持っている情報から最良の選択肢を選ぶことが大切です。
以下は、私なりの解答です。
【解答例】
作った「シュー」を1個捨てて、こう言います。
『1個40円で売ってやる。買えないヤツは損するぞ。』
※もったいないので、自分で食べるのもアリです。
【解説】
選択肢の例
①クリーム職人の意見に従う
この場合の売上高100円(平常時より200円減)
②値下げして20円で買って貰えるよう交渉する。
この場合の売上高200円(平常時より100円減)
③1個捨てて40円で売る。
この場合の売上高360円(平常時より60円増)
これはゲームの特徴は、自分の置かれた状態が急激に変化することです。
ピンチを逆にチャンスと捉える選択肢を見つけられるか否かがポイントです。
解答例では、供給する数を減らすことにより、需要を増加させることを選びました。
こうすることで、損をするのが嫌なクリーム職人は、高値でも買わざるを得ない状況を作り出すのです。
ビジネスではこういった状況によく遭遇します。
企業は常に需要と供給のバランスを意識して活動しています。
供給数を減らし希少価値を上げるのも1つの戦略です。
需要と供給についてはもっと逼迫した事例があります。
それは野菜です。
野菜は1割作り過ぎただけで供給過剰になり、通常の半値以下の価値になることがあります。
逆に、天候が悪く生産量が1割少ないだけで価格が高騰し、たまに「キャベツ」が1玉400円とかになったりします。
農家は供給過剰になった場合、それが赤字であったも売らざるを得ない状況も十分にあります。
また、売値が輸送代金に満たない場合は、一定量を捨ててしまうこともあります。
※この場合、問題とは状況が違い、捨てることがプラスにはなりません。
自分が捨てても競合農家の出荷量が増えるだけで、市場にある野菜の量が変化しないからです。
このような事例から、ビジネスにおいて「生産調整」や「在庫調整」の重要性をご理解頂けたかと思います。
ゲーム理論はこういった状況を考えるのには大変役立ちます。
逆に、ビジネスには不可欠と言ってもいいでしょう。
これを機会に、皆さんも是非ゲーム理論を学んで頂ければと思います。
上記の問題では、ゲーム理論の考え方でピンチをチャンスに変えることができました。
しかし、
皆さんは野菜市場の問題について、この状況を打開する選択肢を見つけることができますか?
良い選択肢が見つかれば是非コメントをお願いします。
<今回の参考文献>
『ゲーム理論トレーニング』かんき出版